さて、今回は・・・、
「羊を数えると眠れる?眠れない夜の対処法と腹式呼吸」
について解説します!
布団に入ったのになかなか寝付けない。そんな時、「羊が1匹、羊が2匹……」と数えた経験がある方もいるのではないでしょうか。
「眠れない時は羊を数える」という方法は昔からよく知られていますが、羊を数えれば眠れるという明確な科学的根拠が確立しているわけではありません。
では、なぜ羊を数える方法がこれほど知られているのでしょうか。そして、眠れない夜には何をすればよいのでしょうか。
今回は「羊を数えると眠れる?」という素朴な疑問から、寝る前の考えごとへの対処法や、手軽にできる呼吸法までご紹介します。
眠れない時に羊を数えるのは効果的?
結論からいうと、羊を数えるだけで寝つきがよくなるとは言い切れません。
羊を数える方法は、頭の中を単調な作業に向けることで、仕事や明日の予定などの考えごとから意識をそらす方法と考えることができます。
しかし、眠れない時には「早く眠らなければ」「明日も早いのに」と考えるほど、かえって目が冴えてしまうことがあります。
厚生労働省の情報でも、眠れない状態で無理に寝ようとすることで不安や緊張が高まり、さらに眠りにくくなる場合があるとされています。眠気がない時には無理に眠ろうとせず、眠くなってから寝床に入ることも大切です。(健康日本21アクション支援システム)
「羊を数えるより、心地よい風景を思い浮かべる」方法も
寝る前の考えごとについて調べた2002年の研究では、不眠に悩む41人を対象に、就寝前の過ごし方を比較しました。
その結果、滝や旅行先など、本人にとって心地よく、興味を持てる情景を具体的にイメージしたグループでは、特に指示を受けなかったグループに比べて、寝つくまでの時間が短くなり、就寝前の不快な考えごとも少なくなりました。(PubMed)
ここでポイントになるのは、「羊かどうか」よりも、頭の中を心配ごとから別の穏やかなイメージへ切り替えられるかどうかです。
たとえば、
- 静かな海辺を歩いている様子
- 森の中を散歩している様子
- 温泉につかっている様子
- 自分が落ち着ける旅行先の風景
などを、景色や音までゆっくり思い浮かべてみる方法があります。
ただし、「これをすれば必ず眠れる」と考える必要はありません。眠るために頑張りすぎること自体が、かえって緊張につながる場合があります。
眠れない時は腹式呼吸を試してみるのもひとつ
羊を数える代わりに、呼吸へ意識を向けてみる方法もあります。
ゆっくりした呼吸は、就寝前のリラクゼーション方法のひとつとして使われています。睡眠に悩む人を対象にした研究でも、就寝前のゆっくりした呼吸によって睡眠に良い変化がみられた例があります。(PubMed)
難しい方法でなくても構いません。
鼻からゆっくり息を吸い、お腹がふくらむのを感じます。その後、力を抜きながらゆっくり息を吐きましょう。
「○秒吸って○秒吐かなければ」と厳密に考える必要はありません。苦しくならない自然な範囲で、ゆったりした呼吸を続けることがポイントです。
呼吸の回数を静かに数えてみるのもよいでしょう。羊の数ではなく、呼吸そのものに意識を向けるイメージです。
眠れないからといって無理に寝ようとしない
「早く寝なければ」と焦るほど、眠れなくなることがあります。
厚生労働省の睡眠に関する情報でも、眠れないまま長時間寝床で過ごすことは、不眠への不安や緊張を高める可能性があるとされています。(健康日本21アクション支援システム)
どうしても眠れない場合には、いったん布団から出て、照明を明るくしすぎないようにしながら静かに過ごし、眠気を感じてから再び布団に入るという方法もあります。
また、良い睡眠のためには寝る直前だけではなく、日中からの生活や寝室環境も大切です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、日中に光を浴びること、寝室をできるだけ暗くすること、暑すぎず寒すぎない環境にすることなども紹介されています。(厚生労働省)
眠れない状態が続く時は?
一晩なかなか眠れないことと、睡眠障害は同じではありません。
一方で、十分に眠る時間を確保しているのに眠れない、眠っても休養が取れた感じがしない、日中の強い眠気が続くなど、睡眠の問題が生活に影響している場合には注意が必要です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、生活習慣や睡眠環境を見直しても症状が続き、日中の生活に影響している場合は、医師へ相談することが勧められています。(厚生労働省)
眠れない時に「羊を何匹まで数えれば眠れるんだろう」と頑張る必要はありません。
大切なのは、眠ることを無理に頑張るのではなく、心と体を睡眠に入りやすい状態へゆっくり切り替えていくことです。
羊を数えることで気持ちが落ち着くなら続けても構いませんし、合わない場合には、穏やかな風景を思い浮かべたり、ゆっくり呼吸したりする方法を試してみるのもよいでしょう。
まとめ
「眠れない時には羊を数える」という方法は有名ですが、羊を数えること自体に特別な睡眠効果があるとは言い切れません。
むしろ、寝る前の心配ごとから意識を離し、リラックスできる状態をつくることがポイントです。
羊を数える、穏やかな情景を思い浮かべる、ゆっくり呼吸する――方法はひとつではありません。自分が「頑張らなくても落ち着ける方法」を見つけておくと、眠れない夜の心強い味方になってくれるでしょう。
